蘇る鋳造機!!
2004年04月22日更新
発端は!!
西暦2003年初頭、カブマツでシルバー部門(銀細工、銀粘土等)を
立ち上げるに辺り、前々から気に成っていたロストワックス鋳造について
調べ出した事だった。
貴金属の鋳造は、
圧迫鋳造、遠心鋳造、真空鋳造、真空圧迫鋳造、真空遠心鋳造等沢山の種類が、
有りその為の機器や装置も沢山有ります。
その中で、真空圧迫鋳造、真空遠心鋳造の装置の殆どはコンピューター制御で
¥ン百万円の物ばかりです。
其れでは又、自作しようかとIH(インダクションヒーター)のメーカーを数十社
片っ端から当ると、何と「発信機の電源を販売してもらえる」と御返事を2社から頂けました。
処がその価格¥200万円強と高価で、とても購入は無理でした。
と言う訳で歯科技巧用の遠心鋳造機(プラチナの鋳造も出来るらしい)の中古品に
目標を定めて、色々と探索を開始しました。
しかしこの種の中古品、需要が多く、中々市場には出ず、出て来ても直に売切て、
何ヶ月経っても見つからない状態でした。
そんな中、有る中古機械販売会社のHP上に ←左のような 真空圧迫鋳造機(10年落ち新品当時価格¥500万円程)を見付け、早速この中古機械販売会社へ問合せした所、「引取る前まで現役で使用されていた」との事でした。 しかし画像で見ても一部部品が欠品して居りとても動きそうにない様で、その話を、まともには受け取れませんでした。 唯、修理するか、部品単位でも使える所が有れば(特にIHの発信機の電源部分)損する事は無いと思い、購入を決断しました。 |
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到着後、早速、各部の点検のため外板を外す。すると数カ所改造の後が見つかる | |
徹底的に修理をする事を決め、蓋、モニター類を外し天板を外す(所謂、全バラ) | |
ガス及びエアー配管の切断箇所 | |
電気回路の改造箇所を発見 |
前面カバーを取り付けました。 | |
天板取付完了 | |
昔の機械なのでコントロールパネルの裏にもビッシリと基盤が付いている。 | |
塗装する為に全の基盤を外し表面をテープでマスキングをする | |
塗装完了 | |
元道理基盤を取り付ける | |
天板に取付る。 |
何と高周波発振機の冷却水回路が断裂!! ポンプを廻した瞬間から水が吹き出し 内蔵された電子基板を水浸しにしました。 しかも各冷却ゾーンの配管も詰まりが有り、結局「全バラ」、 高周波発振機の水漏れは蝋着けで修理、各部の詰まりも直してもう一度組立ました。 |
今回は螺旋状の重なり部分に石留をする形です。 | |
スプール(湯道)を付けます。 長い部分はカットします。 |
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他のワックスとセットし重量を測って置きます | |
出来上がったワックスを円錐台へ取り付ける。 鋳造機のフラスコは、3インチサイズなので市販の円錐台とフラスコは使えない。 従って円錐台は油粘土で作りました。 |
埋没剤を真空脱泡すると膨らむ為ガムテープで嵩上げしておきます。 10分程で硬化するので手早く流し込みます |
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硬化したらはみ出した部分を削り取る。 | |
乾燥したら電気炉で750℃迄焼成 | |
流し込む銀を準備します。 四角い板は925シルバー、他は銀粘土の失敗作で混ぜると950シルバーの純度に成ります。 |
準備した銀を坩堝に投入 この後はフラスコの出し入れ以外自動運転に成ります。 |
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スタートボタンを押すと2分程度で画像の様に溶け出します。 この後一旦自動リセット、750℃に温度保持されたフラスコを下段の鋳造室にセットして再スタート。 |
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銀は自動で鋳造室のフラスコへ流し込まれ、後約1分30秒後、装置の気密が解放されて取り出し可能に成ります。 | |
全体に温度が下がれば(400℃以下)水の中に入れ一気に冷やす。 緊張の瞬間です!! |
バケツの水が沸騰して、埋没材がバラバラに成ります。 | |
取出して見るとキャストの一部が見えています。 | |
取出して埋没材を掃除した所。 | |
酸洗いをして湯道から切断 |